ピア・トゥ・ピア
先にインターネットは中心を持たない自律分散のネットワークであると述べたが、実際には、各ユーザーはWebサイトのサーバー、メール・サーバーといった特定の場所にアクセスすることになる。集中するアクセスを運用管理するため、多くの企業がサーバーを自前で持たずに専門企業から借りており、さらに応用ソフトウェアによる業務処理ごと外注できるASP(Application Service Provider)というビジネス・モデルが注目されている。
しかし、ここにきて、再びユーザーの手元から手元へ直接データが交換されるピア・トゥ・ピアのネットワークに回帰する傾向もあらわれている。先頃、各ユーザーがもつ音楽ファイルを互いに検索し、ファイル交換がおこなえるようにするサイトがレコード会社から訴えられて話題になった。この問題は、著作権保護の観点から語られることが多いが、中央となるサーバーにデータを蓄積しないで、ユーザー同士が直接データを交換する方式が採用されたことが注目される。インターネットが真の自律分散に進化する兆しと言えるのかもしれない。