2.補うべきものは何か
インターフェースの設計
とりあえず扱われる財と経済主体のあり方を所与としてみるとき、現在起こりつつある技術変化に対して既存の産業・経営システムでは対応できなくなる問題がおこる分野は、次の5つに分類できよう。
インターフェースの設計 コンピュータの情報処理能力が高まりネットワークが大量のデータを手元に運んでくるようになるほど、人間の情報処理能力がそれに追いつかなくなる。 サイモンが古くから指摘するように、このボトルネックを解消するひとつの方法は、情報を階層化してわかりやすいインターフェースを設けることである(サイモン1999)。インターネットによってアクセスできる膨大な情報源からユーザーが特定の情報を手に入れるため、検索の機能を提供したりリンク先を項目別に整理するサイトをポータル・サイトというが、ポータルサイトは情報が氾濫するインターネット世界に入っていくユーザーが最初に出会うインターフェースである。
旧来の世界では、マスメディアに載せた広告が、消費者を商行為にひきよせるインターフェースの役割を果たしていた。ウィンストン他(2000)は、ITによって探索コストが下がった状態では、広告のような一方的な情報提供手段よりも顧客側に必要に応じて探索行動をおこなわせたほうが高い費用対効果が得られると分析している。営利を目的とした多くのサイトが広告による収入に頼っている現状であるが、インターネット広告はマスメディアを使った従来の広告の延長として考えていてはうまくいかないのかもしれない。
【参考文献】
サイモン, H.A. (1999) 『システムの科学 第3版』, パーソナルメディア.
ウインストン, A.B.・ D.O. スタウル・S.Y.チョイ(2000)『電子商取引の経済学』ピアソン・エデュケーション.