人間の感情、社会的な要因

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  数々の心理的社会的要因がネットワークを介した取引に影響を与えると考えられるが、広く認知されている要因に信頼(trust)がある。Web上でサプライヤーを募集してオファーを受けても、その企業が品質や納期の点で信頼できるかどうかはにわかには判断できない。信頼を技術とマネジメントの両面でいかに構築するかがEコマースの発展の鍵を握っているといっても過言ではない (Keen et al. 1999)。人をどのように信頼するかは国家や文化の差が大きいことが知られている(フクヤマ1996)。Eコマースの発展を考えるとき、日本人の信頼はむしろ安心である、という山岸(1999)の信頼の構造に関する研究は示唆に富む。日本人は長い間集団に属している安心感に浸ってきたが、リスクをつねに考え自ら必要な情報を集めて初めて、ネットワーク上で出会った相手を信頼することができるのである。

【参考文献】

Keen, P., C. Ballance, S. Chan and S. Schrump (2000) "Electronic Commerce Relationships: Trust by Design," Prentice Hall PTR.

フクヤマ, F. (1996) 『「信」無くば立たず』 三笠書房.

山岸俊男 (1999) 『安心社会から信頼社会へ』中公新書.