電子チームとバーチャル・コーポレーション

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  一方、イントラネット・エクストラネットの広がりや、製品開発・製造におけるIT革新にみられるように、ITは市場化を促進するだけではなく、組織内や特定企業間のより深いコミュニケーションを支援する方向にも動いている。ITは市場での取引を促進するだけでなくチームとして人間が協働することを助けるという主張は数多くなされている(Ciborra 1993:Bensaou 1997)。映像・音声や3次元CADなどリッチなコミュニケーションを支援する技術と広帯域通信、セキュリティの確保が進展すれば、いっそうチームの中の調整を強化する方向にすすむ可能性がある。

  バーチャル・コーポレーション(=事実上の企業)という言葉があるが、これはITによって強化された組織間・個人間のチーム活動とみることができる。興味深いことには、バーチャル・コーポレーションがダビドゥ・マローン(1993)によって提唱されたときは、決してITを活用していたとはいえない日本の系製造業のカイゼン運動やQCサークルが例として挙げられていた。米国企業は、もともと企業間関係・人材が流動的であるというバックグラウンドの上にITによってより緊密な調整を可能にしようとした。一方、日本企業は、組織内や特定企業間の緊密な調整は得意であったが、長年取引のある企業や内部で育成した人材以外の主体とも共に働くことができるように苦しんでいる最中なのである(國領1999)。

【参考文献】

Ciborra, C.U. (1993) "Teams, Markets and Systems," Cambridge.

Bensaou, M. (1997) "Interorganizational Cooperation," Information Systems Research, Vol. 8, No. 2, pp.107-124.

ダビドゥ, W.H.・M.S.マーロン (1993) 『バーチャル・コーポレーション』徳間書店.

國領二郎 (1999) 『オープン・アーキテクチャ戦略』 ダイヤモンド社.