3-D CAD体験記

 by Yoko Takeda

第3週('97 12/15〜)

第3週目は、総仕上げとして、マウスのモデリングにとりかかりました。外装部品とよばれる、外側のカバーの部分4種類(上側のカバー、ボタン部、下側のカバー、ボールを支える円部です。

小さくて単純な製品ですが、外側の曲面、いろいろな凹凸、穴あけなどいろいろな要素が入っています。

ベテランの方だと、図面を渡されて7時間ぐらいでモデリングできるそうですが、私は2週間かけて、しかも丁寧にモデリングするのは上側の部品一点だけです。(後の部品は、外見上、もっともらしく見える程度。)

うまくできれば、次週号で紹介します。さあ、どうなりますことやら。


<スペシャル・イベント>

3次元で製品設計して、金型を設計して、さあ、ものをつくるぞ!・・・いったいどうやって?

そこで、ものを実際につくっている現場をみせていただきました。マシニング・センターや旋盤、放電加工機など、金属を削ったり、磨いたりして金型をつくるいろいろな道具や、できた金型に樹脂を注入して製品を大量につくっていく射出成形機です。

いわゆる3Kと呼ばれてきた場所なんでしょうけれども、小学校のころ、工作の時間のようにわくわくしました。人間は、ものをつくることが、本来大好きなんだと思います。


 
<感じたこと>

続・なるほど「もの」ってこうやってつくられてきたんだ

考えてみれば当たり前なことですが、今勉強していることって、大量生産のためものづくりなんですね。だから、消費者・ユーザーの視点とは別に、どうやって同じ物を効率的にたくさんつくるか、という視点があるわけです。

例えば、プラスチックで成形するものの場合、そのもとになる金型を加工する技術が、つくりだす製品の制約になるんですね。型がうまく割れないものはつくれない(あるいは、コストがかかる)。あたり前といえばあたり前のことなんですが。

よく、設計の段階で製造性を考慮することが大切、といいますが、考慮するというよりも、大量生産が開始されるまでの工程全体をデザインする、という発想が必要なのかもしれません。

今までそれができなかったのは、データが不連続で一貫性がなかったことが大きいのでしょう。それができるようになったとき、いままで2次元図面ベースでなりたってきた開発工程のしくみが変わるでしょうか?

 

フィーチャー・ベースは便利?不便?

フィーチャー・ベースとは、例えば、四角を書いて、それを押し出して立方体にした場合、もととなった四角の形を変えると、立方体の方も自動的に形がかわります。(つまり、平面図形に奥行きを与える<押し出す>という、フィーチャを加えたことになります。)

これは、はじめてやったとき、なかなか感動ものでした。ある形状に与えたいろいろなフィーチャを、後で削除したり、順序を変えたりできます。

ただ、これは、なかなか理屈どおりにいきません。後でフィーチャ編集しようと思っても、いろいろな形状に影響を与えていて、上手くかわらなかったり、形状を壊してしまったりします。

それに、ある形状を横から押し出すのがよいのか、前から押し出すのがよいのか、という意思決定がのちのちにまで響いてきて、モデル全体のなりたちに影響します。図面からのモデリングではなく、3-D CADで直接設計しようとすればなお、そうでしょうね。

フィーチャ・ベースはかえって不便、とおっしゃる方がいるのもうなずけます。

でも、インストラクターの方は、どういうふうにモデリングしていくか考えるのは楽しいとおっしゃっていました。少なくとも、その領域まであまり時間がかからずに到達できるように、道具の方が発達してほしいものです。

 

つづく