3-D CAD体験記
by Yoko Takeda
まとめ (2)
図面+試作+打ち合わせ
→ 3次元モデル+高速試作+発見と組み換えのコミュニケーション
3-D 体験記もこれでひとまずひとくぎりです。
最後に一番感じたこと。それは、製品開発現場でコミュニケーションを媒介する道具立ての変化についてです。
<従来のやりかた 図面+試作+打ち合わせ>
従来、製品開発の上流から下流までの各工程は、2次元の図面と、図面にもとづいて実際にものをつくってみること(試作や模型)、それに図面では表現しきれない意図を伝えるための打ち合わせで成り立っていたのだと思います。
製品設計をなさっている方と話してみると、2次元図面への思い入れの強さを感じます。本来つくるものは3次元なのですが、ものを3面図としてみる習慣が身についてしまっているのですね。
でも、型設計など後工程の人にとってみると、まるっきり問い合わせが必要でない正確な2次元図面なんてほとんどなく、あいまいなところだらけです。
3次元CADは、厳密に入力しなくてはならないため、設計者にとってはほんとうに負担が重いようですが、あいまいさ=創造性、というわけではないでしょう。
プロジェクト早期から製造性について検討するなど、部門間のコミュニケーションはとても大事ですが、しなくてもよい打ち合わせに多大な時間をとられてしまっているのが現状のように思います。
それから、試作にかかってしまう時間。どんなに精緻なモデルができても、画面上では限界があるのは確かで、試作品がなくなるということはないでしょう。でも、もっとすばやく試作ができれば。
<これからのやりかた? 3次元モデル+高速試作+発見と組み換えのコミュニケーション>
図面+試作+打ち合わせに代わる新しい道具立ては、まだまだ技術的に未熟なところが多いですが、こんな感じではないでしょうか。
図面を3次元CADに入力するのではなく、3次元で直接、簡単なCAEを重ねながら、大まかな設計から詳細設計までをすすめてしまう。製品モデルをそのまま金型モデルに転写、すばやく金型をつくって、実試作もすばやく。
その間、ミーティングなどのコミュニケーションの重要性が減るわけではないでしょう。あたりまえのことを確認することに時間をとられるのではなく、問題の発見や、顧客からの注文に応じることや、新しい製品の発想を得るのに力を注げます。
3次元モデルや試作がすばやくできるようになれば、製品開発者だけでなく、営業が試作品をもっていき、顧客の意見をとりいれたり、市場調査に使えるようになりますね。最終的には、パラメータ化をして、顧客に好きな組み合わせをつくってもらう、ということもできるでしょう。
発見と組み換えのコミュニケーションを促進するために、3次元CADを使う。3次元CAD自体も、そのように使えるような道具になるべきなんだろうと思います。
ひとまずおわり